「アーロと少年」を観ました


本日公開のディズニー/ピクサー映画「アーロと少年(原題:The Good Dinosaur)」を観てきました.
以下,ネタバレ含む感想です.

チラ見せクリップの積み重ね


まず,観終わったあとの素直な感想としては,「うーん,あんまり面白くなかったぞ.」でした.
というのも,予告編,D23 EXPO 2015の新作アニメーションプレゼン,ディズニーパークでのスニークピークと,本編内の目を引くクリップを,ほぼすべて事前に観てしまったからかもしれません.
いつもなら,既視のクリップの他にも起伏のある面白いシーンがドカーーーンときて期待を上回ってくれるのですが,「アーロと少年」に限ってはそうはいかなかったようです.
どうにも,観たことのあるクリップ以外に飛び抜けたモノがなく,結果ダラダラして終わってしまいました.
全部初見だったら見方が変わっていたんだろうか.

写実性 vs 非写実性


まず,見た目についてです.
「アーロと少年」のクリップを初めて観た時,その写実性の高さに息を呑みました.
川を流れる水,空を漂う雲,生い茂る木々,葉をつたう雨,どれをとっても本物にしか見えません.
コンピュータ・グラフィックスに従事する研究者,アニメータたちの血の滲むような努力が可視化されるようで,鳥肌がとまりませんでした.
この高すぎるまでの写実性が,この映画の最大の魅力であり,最大の誤算だったんじゃないかなぁ.
溜息をつくほどリアルな環境に,特にアーロのような”非写実的な”キャラクターを描くことで,常に違和感がつきまとった.
本物にしか見えない森のなかに,CGにしか見えないキャラクターがいる,それがずーっと気になってしまう.
写実性と非写実性のバランスの重要さを思い知りました.

アーロの父から漂うムファサ感


飛び抜けたシーンが無かった理由のひとつかもしれません.
アーロの父がとにかくムファサ.
はじめからさいごまでムファサ.
寝てるアーロを起こして説教しようとするところもムファサ.
親子で危機が迫って息子を助けて自分だけ土砂に飲まれちゃうシチュエーションもムファサ.
かと思ったら突然現れて霧のように消えていくところもムファサ.
Remember who you areムファサ.

すべてがムファサっぽいのに,なぜかアーロの父を好きなれない.
ムファサと違って,「あんなお父さんがほしい!」と思わせてくれる魅力がなかったのがとても残念でした.

重ねて,親友となる相手が親を亡くした原因となる部分がとてもブラザー・ベア.
「アーロと少年」=「ライオン・キング」+「ブラザー・ベア」/ 3 って感じ.

…という要因が重なって,起伏もなく,目新しい要素もなく,ただただストーリーが進行していってしまいました.

納得がいかない!


アーロが家族のもとへ帰ってきたあと,父の隣に”しるし”をおします.
なんで!?
アーロなんかしたの!?!?帰ってきただけだよね!?!?!?
いやなんか違うだろ!?!?!?ってなりました.

恐怖への立ち向かい方


家族のもとへと帰る旅の途中,アーロはTレックスの家族と出会います.
ブッチ,ナッシュ,ラムジーの3頭とのシーンは短いながらもとても印象に残りました.
ここでアーロが学んだ「怖さを受け入れ乗り越えていくことの大切さ」には,ちょっとヤラれたなぁ.
キャンプファイヤーも良かった!

期待通りもまた良し


そして,やはり最後の「トラウマを乗り越える」「スポットとの別れ」「家族との再会」はグッときました.
いずれもすべて,期待通りのことを粛々とやってくれただけでしたが,それでもやっぱり,良かった.

さいごに


ピーターソンとピーター・ソーン紛らわしすぎィィィ!

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